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株が明かすノウハウ

今度はRCCが自分でも札を入れ、他の二者より高い値をつけて落札(自己競落)した。 結局は、二OO二年夏に、自己競落価格を大幅に上回る価格(推定・二億数千万円)である企業へ売却した。
RCCの担当者によると、右翼団体と関連のありそうな企業が入札に参加しており、その倉庫を一億数千万円で取得することを狙っていたそうだ。 右翼団体にすれば、占有し続けることで、その不動産の価格を下げられるわけで、安く買った後、転売する予定だったとすると、これも不良債権ビジネスの一種かもしれない。
完全な違法行為だ。 こうした違法行為を排除することが法務大臣管轄下の法律になった理由の一つである。
また、このケスは極端な事例だが、不良債権とは権利関係のかたまりであり、法律問題になることが多い。 弁護士業界にとっても大事なビジネスなので、サビサ法でも弁護士の仕事は守られたということだろう。
先のRCCの事例で、不良債権をカネに換えるのが、いかに手間ひまがかかる仕事かを理解していただけたと思う。 手間ひまにかかるコストを考えると、あまり大儲けすることができそうにない。
実は、国内外の投資会社が狙っているのは、こうした債権回収業だけでの大儲けではないのだ。 サビサを設立した投資会社が実践している不良債権ビジネスの全体像を見るためには、「証券化」や「ファンド」などのキワドを知らなければならない。
証券化という言葉については、大手不動産会社や大手証券会社がテレビCMで使ったりしているので、なんとなく聞いたことがある人も多いだろう。 証券というと、証券会社が扱っている株式や国債、社債などが代表例だが、証券化は、株式や債券のようなものを作り出すことだと理解しておけば、一般の人には十分だ。
たとえば、安定した賃貸収入がある不動産なら、将来の賃貸収入を原資にして、一定の配当を約束した証券を多数作る。 投資家に買ってもらうことができれば、手元に多額の資金がなくても不動産を買うことができる。

いろんな条件・性質を持つ証券に投資してリスクを分散したい、といった投資家のニズを満たす一方で、証券化する企業にとっては、比較的少ない元手で新しいビジネスを柔軟に設計できるメリットがある。 証券化と共に近頃、大活躍しているのがファンド(投資ファンド)というペパカンパニだ。
先ほどの安定した賃貸収入のある不動産を少ない元手で買って商売にする例では、その不動産の保有者をファンドにしてしまう。 専門的な言葉で言うと、不動産を保有し、収入から配当を分配するという特別の目的だけを持ったSPC(特別目的会社)というペパカンパニを作る。
SPCが証券化によって作った各種証券を発行し、投資家に買ってもらう成果を上げようとする仕組み。 ファンド自体はSPCやその他の方式のペパカンパニだが、ファンドを運用する投資会社には、ファンドマネジャーがいて、投資先・期間などを決定する。
また、ファンド運用会社は、特定の不動産賃貸事業など、必要に応じてSPCファンド(しばしばSPC)の下にいくつもSPCがぶら下がっているケスを作るのが多い。 不良債権、ビジネスでは、いろんな形態のファンドが混在している。
大きく分けると、不良債権に投資して儲けを分配しますよ、というのが不良債権ファンドであり、投資対象を不動産としているのが不動産ファンドだ。 現実には、不良債権ファンドと不動産ファンドという言葉は結構、あいまいに使われており、不動産ファンドと称しているところが不良債権から出る不動産を投資対象にするケスもある。
外資系の投資会社が設けたファンドの場合、ファンドが外国籍、投資家も外国人であり、日本で不動産を売買しているだけ、というパタンが多いので、姿はほとんど見えない。 ファンド運用会社が所属している金融グルプは、法的に金融機関から債権を買って回収するビジネスが認められるサビサを持つことが多い。
実際の買い手(胴元)であるファンドは、買い取った不良債権から主に不動産を手に入れるのを目的としているが、サビサがいると面倒な法律への配慮がいらなくなる。 また、産が生み出す賃料収入の回収や投資家への分配などの業務をサビサへ委託することもできる。

逆にいえば、不良債権に特化したサビサをみかけたら、背後に不動産を狙うファンドのグルプがあるとみて、まず間違いない。 その種のサビサも担保不動産なしの不良債権を回収することがあるが、RCCほど熱心に回収に努力することはない。
あくまで不動産で大きく儲けることが、不良債権買いの目的になっている。 二OO二年十二月、東京・赤坂に三十八階建ての巨大ビルが完成した。
米国の大手生命保険会社の名前を冠したプルデンシヤルタワだ。 一九八二年に大火事を出したホテルニュジャパンの跡地として知られてきた場所にようやく新しい顔ができたのだが、破綻した金融機関が生み出した不良債権に優良な不動産が合まれ好例でもある。
不良債権を持っていたのはC保険(現・AGスタ生命保険)だった(全般的に、大手保険会社がいると面倒な法律への配慮がいらなくなる。 また、産が生み出す賃料収入の回収や投資家への分配などの業務をサビサへ委託することもできる。
不良債権には優良不動産が多いそうで、不良債権買いのプレヤーから人気がある)。 Hの再開発が失敗した際、再開発を試みていた会社に六百億円もの資金を貸していたCには、巨額の不良債権が生じた。
その回収のため、Cは担保だったニュジャパン跡地の競売を申し立て、自己競落して取得した。 九九年から、大手建設会社と組んで三十八階建てのオフィス・住居・商業施設の複合ビルを建設し始めた。
計画されていた建設費は三百億円。 だが、二OOO年十月にCが破綻し、更正特例法に基づく会社更生を申し立てるに至る。

二OO一年春に、建設途中のまま、Cの管財人から、 フルデンシヤル・グルプとMビルが作ったSPCへ売却され、プルデンシヤルタワとなったわけだ。
Mビルが発表した総事業費は建設費込みで六百億円超だった。 タワは下から商業施設(飲食唐・銀行・コンビニ)、三階以上にオフィス、二十六階以上が賃貸住宅(百二十五戸)。
住宅の家賃は月額六十五万円1二百十万円もするので、住宅部分だけで年聞に十数億円になる。 店舗・オフィスの賃料も高額だろうことを考えると、年聞に数十億円の賃貸収入が稼げる。
この収入計画を基に、Mビルなどは巨額の投資を回収したうえで相応の利益が出るとみたわけだ。 「買って、バリュアップして、売る」不動産ファンドさて、プルデンシヤルタワの例は、不良債権の巾の優良な不動産だけの売買であったが、不良債権ビジネスを理解するヒントがつまっている。
プルデンシヤルとMビルのSPCの代わりに、別のSPC「ABCファンド」が買い取り、建設を完了し、賃貸営業を始めたと仮定しよう。 ABCファンドがタワから得る収入は、年間の賃料収入が五十億円あるならば、十二年間で六百億円に達する。
実際には管理・補修コストが引かれるのでもう少し年数が必要だが、十数年で当初の総事業費を超え、それ以降は、まるまる利益になる計算だ。 景気の動向やその地域のビジネス拠点としての人気などによって、途中で賃料収入が下がるリスクもあるが、結構、魅力的な投資に見えてくる。
実はもっと有利な話である可能性が大きい。

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